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啐啄同時
2022.11.21

新田青雲中等教育学校創立20周年記念式典・記念講演会

紅葉が一段と色を増し、秋の深まりを感じる11月19日、新田青雲中等教育学校創立20周年記念式典・記念講演会が青雲体育館にて催されました。開式の辞の後、6年生女子のアカペラによる国歌独唱があり、その美しく澄んだ歌声は、会場に参列した生徒や教職員だけでなく、ご来賓の方々の心にしみ渡り、静で厳かな雰囲気の中式典が始まりました。

池田校長先生は、式辞において、本校独自の教育を創造してこられた諸先輩方と、労を惜しまず献身的に支えてくださった保護者の皆様に敬意と謝辞を述べられた後、「グローバル力を備えた優秀な船長の育成」という本校のミッションを達成するための「イマージョン教育の導入」「ICTをフルに活用した個別最適化学習の実践」「4名のネイティブスピーカーを原動力としたグローバルリーダーコースの充実強化」などに努めることを、新田青雲中等教育学校改革の歩みとして「可能性は無限大」を青雲生の合い言葉に共に精進していこうと生徒に投げかけられていました。また、ご来賓を代表されて、丸木公介理事長より、新田学園創立以来脈々と受け継がれられて来た新田仲太郎翁の「何が何でもやり抜く」といった不屈の闘志によって、生徒みんなの航海がどんな状況になっても、高い志を持ってそれを見失わないようにしてほしいという祝辞を賜りました。そして門屋邦尚PTA会長からも、20周年を乗り越えてきた今までの成果を祝され、それを未来へと繋げていく生徒たちに向けて、一人ひとりが自分を主人公として何事にも果敢にチャレンジし、学校行事などにも今まで以上に盛り上げるように取り組んで新しい歴史を作り上げてほしいという祝辞をいただきました。その後に「創立20周年テーマ」「創立20周年シンボルマーク」を考案した生徒への表彰が行われ、式辞や祝辞を受けた生徒代表の謝辞がありました。新田青雲中等教育学校が今後も変わり続けるためには、自分たち在校生の高い意識が必要で、20周年記念のテーマである「We are sailing Beyond the horizon 限界を超えて」の通り、自分の限界を超えた先にある輝かしい未来へむけて、これからの社会を担う「優秀な船長」となるために全身全霊で努力し続けるという決意を述べていました。

式典に続いて国立極地研究所准教授である高橋邦夫先生による創立20周年講演会が「南極から地球を見る」という演題で行われました。国家事業である極地研究所の活動について情報開示の機会を設けていただいたと言う謝辞から始まったお話でしたが、生徒は、前期生には難しい専門分野の話もありながら、全員興味をもって食い入るようにお話を聞いていました。南極が海に囲まれ厚い氷に覆われた大陸であり、とても空気がきれいで大気中の塵やホコリもなく吐く息が白くならず、細菌も育たないので風邪も引かない世界であることや、国境も軍事基地もなく自身の研究に集中できる環境であることからお話が続き、南極に取り残されたカラフト犬タロとジロをきっかけに南極生物の研究が注目され、様々な生物の研究が進む中、高橋先生のご専門である裸殻翼足類のクリオネが、人間の活動による二酸化炭素増加にともなう海洋酸性化によって危機を迎えているという地球環境のお話にまで発展しました。途中にいくつかのペンギンクイズや南極の昭和基地に向かうまでの航海の困難さ、南極での生活のたいへんさを交えながら最後まで尽きることのない南極愛にあふれたお話でした。最後に「南極への道」として、これからの未来を作る生徒たちへのアドバイスがありました。想定外を減らし想定内を増やすこと、今ある環境で最も効果をあげるように考えること、大胆不敵な小心者であること、などを述べられ、態度は大丈夫でありながら細かなことにも注意を払う人間であるようにというご助言をいただきました。その道のプロフェッショナルであれば意外なところから道は開かれるというお言葉は、これからを生きる青雲生にとって大切な指針(コンパス)になったことと思われます。講演後にはたくさん生徒から積極的に様々な質疑応答があり、盛り上がっていました。

新田青雲中等教育学校創立20周年記念式典・記念講演会を経て、新田青雲中等教育学校が今後50年、100年先も、松山の中等教育学校として地域や世界の発展に貢献できる人材の育成を担う存在として第一線を走り続けられように生徒、教職員一丸となって努力したいという思いを強くしました。